皮肉的な逆転構造

うちのバイト先は年中人員が足りない。飲食店なのだが他のところも同じなんだろうか。

 バイトに入ってもすぐに辞めてしまう人が多い。それに対して、社員やフリーターは「根気がない」「ゆとり」と口にする。最近入ってきた新人はシフトの時間ぎりぎりで出勤するため「新人なんだから早めにきて勉強しないとだめ」と陰口を叩かれている。

もうそんな時代じゃないんだよね。ぎりぎりに来ててもシフトに間に合ってるんだから。根本的に考え方がずれてる、というか遅れてると感じる。

今の新人の思考回路は以下だと思う。
数ある似たような条件のバイト先からちょっとした優先度(家から近いなど)で応募。
入ってみたら新人教育で覚えたことをシフト時間外に復習しろと注意される。シフト時間外に勉強すると考えると実質の時給が下がる。そうなると数ある他のバイト先候補の方が条件が良い。もともと大した理由でここを選択したわけではない。ということで辞めて他のバイトへ。

以上のような合理的な判断は高校生でもできる、たぶん現代は日常的に選択肢があふれてるから若い人は合理的な判断と選択は得意なんだろう。

 これに対する「根気がない」「ゆとり」のなんとも的外れなことか。
レッテルを貼って思考停止するのは気持ちいいんだろうけど、もはやアルバイトで成り立ってるサービス業では過半数がゆとり世代、その世代の考え方に対応していかないとどんどん取り残されるよ。条件を良くする(時給上げる)か新人教育を手厚くするかしないと解決しないよ。
ということを言っても聞かない上に、辞める人に問題ありという態度を何年も続けてるんだけど、そういうの見てるのって最高に面白いよね。

 

採用に面接という過程があるから従業員を選別してる気持ちなんだろうけど、皮肉にも「ゆとり」に選別されて取り残され、苦しんでいるのはこちら側なのだ。この社員側の思っている構造と現実の逆転現象はとても面白いね。